2015年4月29日水曜日

[読書録] 人工知能、ロボット、人の心。

これから、人工知能の発達は必然。それらが、どのような順序で発達するのか、発達した先には人はどうなるのか。
それがリアリティをもって書かれていたので、大変参考になった。

今後の事業戦略や、個人としてのキャリア設計のために最新技術情報にはキャッチアップしておかねばならないなと感じた。

構成も会話形式でとても読みやすい。かつ、リアル会話形式であるが故に、その内容がすっと自分の中に入ってきた。
何より、情報の鮮度の高さが魅力だなと。通常の書籍であると、執筆した後の校正や出版準備で、時間に差が出がち。
この本は、電子書籍のメリットをふんだんに生かしているなと思った。

以下、気になった所のメモ。




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仕事に何を求めるが論になる

組織心理学者エドガーシャインによると、人間は8つの能力や状態のどれかを満たすために仕事をする

管理能力、技術的・機能的能力、安全性、創造性、自律と独立、奉仕・社会献身、純粋な挑戦、ワークライフバランス


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人口知能に対抗する方法は、マインドマップローディング。人間の脳を計算機上にコピーするという方法。


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人口知能が活躍する例として、防犯カメラ。ビルのセキュリティは、人が管理して、問題が起きてから対処を始めるが、コンピューターが危険な兆候を事前に解釈して、ノーティフィケーションを出せる。


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クラウドコンピューティングから、フォグコンピューティングへ。通信時間を最小化できるのが特徴。


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ロボットが人型なのは、今の世の中が人に合わせた作りで設計されているから。ドアの高さから、工場の作業工程まで。人型の方が現時点では汎用性が高い。


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強いロボットと弱いロボット。

強いロボットは自分である程度を解決してしまう機能重視。弱いロボットは、よくおしゃべりはするけど、実際に機能的に役に立つわけではない。pepperは後者。

後者だからこそ、ペットのように人を楽しくできる。
人間は世話をするためにペットを飼うわけだから、弱いロボットの存在価値もそこにある。


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pepperのデザインは、あえて脱個性することで、ユーザーからのバイアスの少ない行動データを取得している。


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日本は、アトムやドラえもんの影響で、ロボットは驚異ではなく、友達という文化が根付いている。


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pepperは人間に一番近いUI部分のデータを取るためのプラットフォーム戦争の第一弾。ユーザーに近いサービス程、価値が高い。キャリアとLINEが良い例。


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教育における、ロボットによるケアレシーバー機能。子供一緒にロボットが勉強し、ロボットがわざと間違える。子供はこれを指摘する。この行為が学習効率を大きく高める。


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人口知能は、作業量が膨大な単純作業をこなすのが得意。その結果を直感をもとに最終判断するのが人間の仕事になる。


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ワトソンのディスカバリーアドバイザー機能。過去の論文のアブストを解読し、関連しそうな情報を提示してくれる。

研究者が読める論文の数は限られているから、重宝される。


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モノを認識するための情報は、形、匂い、重さ、音などがある。このうち二つ以上を合わせたときに人はモノを認識するという仮説がある。


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物理的なタスクがロボットによってなされると、次は精神的なところに技術の焦点が当たる。対話サービスとか。


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人間の脳は電気信号で情報を伝達しているので、最終的には感情もコンピューターで再現可能といわれている。


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人間の強みは変化に強いところ。人口知能は膨大なデータが必要。人間は少ないデータで学習できる。変化の強さが必要な職業が今後ものこり続けるはず。


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禅の受動意識仮説。

条件反射や無意識によって人は行動し、その行動に対して脳が意識をする。

故に、意識して行動しているかのように思える。この意識は、学習効果をはやめるための副産物。

なので、意識せずに行動しろというのは、そういうこと。



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